天然生活
ふと天然生活という雑誌を読んで、なるほど、仰る通り、これは書いておきたい、と思いました。
桧山タミさんのがんばらない台所、という記事なのですが、興味深く読みました。
まず、「朝の光を浴びると元気が満ちてくる」、と仰います。けれどそんなことを感じたことはあまりなく、なぜだろう、それで少し読み進めることにしました。
桧山さんがこの世で一番むだだと思っているのは「クヨクヨする時間」。「クヨクヨするなら寝たほうがまし」というのが口癖です。38歳のとき、桧山さんは江上先生について、世界各国の食の視察に出かけます。そしてエジプトのピラミッドのそばで満天の星を見上げたときに、「私たちの人生なんて、この星の瞬きみたいなもの」という考えが、すっと頭に降りてきたそう。そして、「人生にはクヨクヨするひまなんてない。笑って楽しく生きた方がいい」と強く思ったといいます。
「だから、がんばりすぎないこと」と桧山さん。
「そんなにごちそうばっかりつくらんでよかよ」
「鳥や草花と同じく、自分自身も自然の一部と思って生きていたい」。桧山さんは、そんな思いをもち、四季に合わせた、料理をつくりつづけています。だから、「台所を預かる人は土と結びついていてほしい」といいます。土に育まれた野菜も同じ大切な命であることや、生産者の方たちの苦労を少しでもわかるように。
「女性は、もともと強い。だから、やさしさを学ぶために女性は生まれてきたの。料理とは、やさしさ、思いやりそのもの。だから、料理を通して女性はやさしさを学ぶのです。と桧山さんはいいます。一方の男性は、もともとやさしいから、強さを学ぶために男性に生まれたのです。「もっとも、強さを学ばず、弱いまま威張り散らす人もいますけどね」
なるほど、自分は男なので、この記事(天然生活)を書いておられた方々のご苦労をも考えてしまいます。
身近にいる大切な人たちを応援する気持ちで、真心をこめて包丁を持ち、穏やかな気持ちで台所に立ち、目に見えない思いを料理に込める。
そう考えると、これまで沢山の方たちに助けられてきました。
盛夏の候、暑中見舞い申し上げます。